
バスキュラーアクセスのトラブル(シャントトラブル)
シャント、人工血管のトラブルには狭窄(狭くなる)、閉塞(つまる)、感染(バイ菌が付く)、瘤化(コブができる)、静脈高血圧(手や指が腫れてくる)、スチール症候群(手や指が冷たく紫色になる)などがあります。手術の傷の癒着、動脈の血が静脈に流れ込むこと、毎回針を刺すこと、シャントが流れ過ぎるなどが原因です。
シャント狭窄
シャントが狭くなったときの症状、兆候は次のようなものです。
- シャント音が弱い、すきま風のような高い音がする、音が短い
- スリル(ザワザワした感じ)が弱い
- 透析時の静脈圧(戻すときの圧)が高くなる
- 枝がたくさん出てくる
- シャント側の腕が腫れる
シャント閉塞
シャントが詰まったときの症状、兆候は次のようなものです。
- シャント音がしない
- スリル(ザワザワした感じ)が触れない
- シャントのつなぎ目のみドキドキする
- シャント血管が硬い、赤い、痛い
これらがあった場合には、あまり待たないでクリニックの先生に相談してください。
シャント狭窄の場合の治療法は、以下の通りです。
- PTA(風船で狭いところを拡げる)(図6)
- シャント再建(狭いところのすぐ上でシャントを作り直す)

シャント閉塞の治療法は、以下の通りです。
- 血栓溶解療法+ PTA
血栓溶解剤を閉塞部位に注入し血管をマッサージ
血流が再開したらPTAを行う - 血栓除去術+PTA
血栓除去用の風船で血栓を掻き出す
血流が再開したらPTAを行う - シャント再建
閉塞したところのすぐ上でシャントを作り直す。
感染
シャントが感染しているときには、痛みと赤みと腫れがあります。
場合によっては白い膿が出ることがあります。
原因は同じ部位を頻回に穿刺したり、シャントを不潔にすると起こります。このような場合、シャントを早く閉じないと大出血や全身感染に移行することもあります。人工血管の場合には一部あるいは全部取り出さなければなりません。血管に赤みや痛みがあるときには早めに看護師さんや先生に相談してください。
シャント瘤
シャントの瘤は、狭いところがあるとその手前にできます。
また同じ部位を穿刺し続けると起こります。(図7)
どんな時に治療するか
- バイ菌が付いているとき
- テカテカと光沢が出てきたとき
- 骨のように硬くなってきたとき
- 短期間に大きくなってきたとき (4cm以上)
- 美容的に気になったり、衣服に擦れるとき
治療法は瘤を取ってすぐ上にシャントを作り直します。
外来でもできますが一泊の入院をしていただくこともあります。
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静脈高血圧
静脈高血圧はシャントの上流血管に狭いところがある方に起こります。シャントは動脈に静脈を結びつけるため様々なところに狭いところができます。狭いところがあると血液はその部位で逆流したりうっ帯するため腕が腫れます。(図8)心臓に近いところで狭くなると肩や顔まで腫れる事があります。治療はPTAを行うか、シャントを閉じなければならないこともあります。
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スチール症候群
スチール症候群とは本来指先にいくはずの栄養や酸素がシャントに多量に流れるため指先が痛くなったり、冷たくなったり、紫色になったりします。治療法はなかなか難しくシャントを閉じなければなりません。
まだまだバスキュラーアクセスのトラブルはたくさんありますが、今まで書いたことを注意するだけでもかなり防ぐことができます。『いつもと違う…』という感覚を大事にしてください。
※ 本文中に掲載した写真は、患者さまのご承諾を得て撮影させていただいたものであることをお断りしておきます。
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