腎不全とは

腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を腎機能不全(腎不全)といいます。
さらに、この状態が続くことを慢性腎不全と呼びます。
慢性腎不全になると、尿毒素や水分、カリウムやナトリウムがどんどん体の中にたまって影響を及ぼします。慢性腎不全はさまざまな病気のため、数年または10年以上という長い間に、少しずつ腎臓の機能が低下していきますが、いったん慢性腎不全となると腎臓の働きが元に戻ることはありません。

慢性腎不全の元になる病気について

  • 糖尿病腎症
  • 慢性糸球体腎炎
  • 腎硬化症

慢性腎不全に至る75%以上がこの3つの病気が原因です。

慢性腎不全の元になる病気について

2008年透析導入患者原疾患別人数割合
(日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」2008年12月31日現在より)

糖尿病患者さまに起きやすい合併症

糖尿病患者さまに起きやすい合併症

透析をどの時点で開始するか

透析を早過ぎず、また遅すぎず(手遅れにならず)開始することは、実は大変に難しいことです。

透析開始が遅れた場合

できれば、自分の腎機能をすべて使いきった時点での透析開始が理想なのです。しかし糖尿病性腎症などは尿素毒素、クレアチニンなどの尿毒素の値があまり高くなくても肺水腫などを起こし、透析の開始が遅れたために、生命の危機を招く場合があります。また、透析開始が遅れたために、つぎつぎに余病を起こしてしまい社会復帰が大幅に遅れる可能性もあります。
一般的にいうと、元の病気が糖尿病性腎症や腎硬化症の方、お年をとられている方では、他の腎炎などの方や若い方にくらべて早く透析を受けていただくことになります。

それでは透析開始が早過ぎた場合はどうでしょう

「あまりひどい尿毒症の症状もないのに、透析になってしまった」また「透析をはじめたことによって、自分の腎臓の働き(残腎機能といいます)が低下してしまう」といった気持ちをもたれる方もあるかも知れません。しかし、主治医は個々の患者さまのさまざまな病状から、もっとも適切な透析導入の時期を判断します。血液浄化法をすすめるときは、以下の場合に限られます。

  • このままでは尿毒症がすすみ、最悪の結果を招く恐れがある。
  • 透析をすることで症状の改善が得られる可能性がある。
  • 患者さまが透析に耐えることができる。

スムーズな透析導入を行い、体の調子を整えて、早期に社会復帰されることが望まれます。

※一般的にはクレアチニンが7.0mg/㎗ 位になった段階で内シャントを作っておいて、透析開始に備えます。この時期は年齢、原疾患、血管の状態などで多少の差があります。

【クレアチニン】
腎臓から排泄される老廃物の一種。腎臓の働きが低下すると老廃物の尿中への排泄が減って、血液中のクレアチニンが多くなります。

血液透析について

腎不全末期となった体にたまった尿毒素(老廃物)や余分な水分は、ダイアライザーを用いた血液透析を行うことでかなり除去されます。

血液透析には、次のような働きがあります。

  • 余分な水分を取り除く(除水)
  • 電解質のバランスを保つ
  • 血液を酸性から弱アルカリ性にする
  • 体内の老廃物を取り除く

【ダイアライザー】
現在のダイアライザーの大部分は中空繊維型(ホローファイバー)といわれるもので、容器に入った約1万本の極細の繊維管の中に血液を流します。この管にはミクロの孔(ポア)が無数にあいていて(半透膜)周囲を取り囲む透析液との間で水分の移動、尿毒素(老廃物)や不足している物質(電解質)などの交換をして(拡散・浸透圧・限外ろ過)血液を正常の状態にします。このダイアライザーが腎臓に近い働きをする人工腎臓といえます。
多くの種類があり、年齢、食事、体重、除水量、血液検査データなどを参考にして、患者さまに最も適したダイアライザーを用います。

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